



中小企業の経営者の引退年齢は、会社の規模や業種にもよりますが、平均すると67歳~70歳です。
現在の経営者の年齢分布を踏まえると、今後5年程度で多くの中小企業が事業承継のタイミングを迎えると予想されます。
相続対策という面では、自社株の相続を行うことになりますが、事業の存続という面では事業承継対策を検討することが重要です。

資料:中小企業庁委託調査「中小企業の成長と投資行動に関するアンケート調査」(2015年12月、(株)帝国データバンク)、(株)帝国データバンク「COSMOS1 企業単独財務ファイル」、「COSMOS2 企業概要ファイル」再編加工

資料:中小企業庁委託調査「中小企業の事業承継に関するアンケート調査」(2012年11月、(株)野村総合研究所)
会社としてこれからも存続できるにも関わらず、事業承継の進め方、実情に対する認識が不足しており、事業承継への着手を先送りした。
そのために後継者を確保できなかったというケースもあります。
後継者の育成期間を含めれば、事業承継には5年~10年を要するものと考えられます。
経営者の平均引退年齢は70歳前後。後継者の育成期間を踏まえると60歳ごろには事業承継の準備をスタートしたいところです。


資料:(株)帝国データバンク「中小企業における事業承継に関するアンケート・ヒアリング調査」(2016年2月)再編加工
事業承継では、後継者教育などを進めながら経営権を引き継ぐ「人(経営)」の承継、自社株・事業用資産、債権や債務など「資産」の承継、経営理念や取引先との人脈、技術・技能といった「知的資産」の承継を、計画的に着実に進める必要があります。
事業承継をスムーズに進めるためには、自社株の取得に伴う相続税や贈与税の負担、経営権の分散リスク、事業承継後の資金繰りなど、さまざまな課題に対応していくことが求められます。

出典:「事業承継マニュアル 2017年3月」(中小企業庁)を編集・加工して作成しています。
事業承継の準備から計画の策定、実行まで5つのステップ

ステップ1 事業承継に向けた準備の必要性の認識
事業承継に向けた早めの準備の必要性を認識するための「事業承継診断」や経営者と支援機関との事業承継に関する対話・相談に取り組む。

ステップ2 経営状況・経営課題等の把握(見える化)
経営状況を把握するためのツール(中小会計要領・ローカルベンチマーク・知的資産経営報告書等)を活用しながら、経営の見える化を行い、課題の改善に向けた方向性を明確にする。

ステップ3 事業承継に向けた経営改善(磨き上げ)
経営者が将来の事業承継を見据えて、本業の競争力の強化などにより企業価値を高めることで、会社を後継者にとって魅力的な状態にまで引き上げる。

ステップ4 事業承継計画策定
円滑に引継ぎを進めるために、後継者とともに、株式、事業用資産や代表権の承継時期を記載した事業承継計画を策定する。

ステップ5 事業承継の実行
株式、事業用資産や経営権の承継を実行する。